「正しさより、あたたかさを」——正論がつらく感じるときに読む話

「それ、正しいけど…なんだか苦しい」

そんなふうに感じたことはありませんか?

SNSの投稿や、職場・家庭での会話。

相手の言っていることは間違っていないのになぜか心がザワザワしてしまう。

それは“正しさ”がときに人を追い詰めてしまうからかもしれません。

このコラムでは「正論がつらく感じる理由」と「優しさを選ぶコミュニケーション」について私自身の経験も交えながらお話しします。

頑張っている誰かの心が少しでもふっと軽くなりますように——

そんな願いを込めてお届けします☕✨

SNSや職場で感じる「正論疲れ」

SNSを見ていると誰かの発言に「それは違う」「こうするべき」といったコメントが並ぶことがあります。

職場や家庭でも「こうするのが正しい」と言われることありますよね。

それがたとえ建設的な意見でもなんとなく心がざわついてしまう。

正論をぶつけられるたびに「分かってるけどそうできないんだよ…」とそっと心のシャッターを閉じたくなることがあります。

正論は武器にもなる

人は自分が信じている「正しさ」で誰かを救おうとすることがあります。

相手のために言っているつもりでもそれが“押しつけ”になってしまうと受け取る側には重く感じられてしまう。

ときには自分の不安やイライラを覆い隠すために正論を盾にしてしまうこともあるのかもしれません。

「間違ってはいないけど冷たく感じる」そんな瞬間ありませんか?

相手の言葉が「正しい」だけに反論もできずモヤモヤが残る。

そんな経験はありませんか?

たとえば「もっと努力すれば?」

「自分が選んだんだから仕方ないでしょ」

確かにそう。

だけど心が疲れているときにはその正論が突き刺さってしんどくなるんです。

正論が人を追い詰める場面とは

「こうすればいいのに」「こうすれば上手くいくはずだよ」

自分の中の正しさを相手に押しつけて、そうすれば良いのに何を悩んでいるの?

この押しつけが相手の心を追い詰めています。

相手は正しさだけを並べられ「じゃあ私はどうすればいいの?」とさらに追い詰められてしまうこともあります。

分かっているけどそう簡単じゃない…できていないことを責められ、自分を否定されたように感じてしまう。

そして「分かってもらえなかった」という寂しさだけが残るのです。

自分も相手も責めないコミュニケーション

優しさは正しさの中に“余白”を持たせることから始まります。

「本当はこうした方がいいけど、今のあなたには難しいかもしれない」

そんな風に相手の今の状態を思いやれる気持ちにはあたたかさがあります。

正論に「思いやり」を添えるだけで、伝わり方はまったく変わります。

間違いを責めずに寄り添うという選択

誰かが間違っていたとしても責めるのではなく「そっか、そう感じたんだね」と受け止めるだけで相手の心はふっと軽くなります。

“正す”ことより“寄り添う”ことが心の回復にはとても大切なのかもしれません。

私が”優しさ”を選びたい理由

私自身過去には正論を言ってしまう方の人間でした。

社会人になりたてのころ、上司との関係に悩んでいた先輩に

「自分の不利になることばかりじゃないですか!もっとこうしたらいいじゃないですか!
会社に状況を説明しておかしいって言いましょうよ!」

と言ってしまったことがありました。

このころの私は正しいことがすべてだと思っていました。

正しいことをしていればみんな上手くいく、正しくないことをしている方がダメ

と正しいことが何かも分からずにそんなことばかり言っていました。

正しさよりも人の心に残るもの

人の記憶に残るのは“どれだけ正しいことを言ったか”ではなく

“どれだけあたたかく寄り添ってくれたか”なんじゃないかなと思います。

その先輩には「分かってるけどそれをすることが良いこととは限らないんだよ」

と言われてしまいました。

その時は納得できませんでしたが、今はとても反省しています。

色々な状況や心境や関わっている人がいる中で自分だけが軽はずみに動くことの浅はかさ。

それからは正論より優しい言葉を選びたい、そう思うようになりました。

自分の中の正しいは自分にだけ使えばいい。

時には相手のことを考えているはずなのに空回ってしまうこともありますが笑

少し不器用でも相手の心にそっと灯をともせるような存在でありたいと思うのです。

言葉を投げかける前に深呼吸

誰かに言葉をかける前に深呼吸をひとつ。

「この言葉は相手の心にどう届くかな?」とほんの少しだけ考えてみる。

それだけで、世界の空気はちょっと優しくなるような気がします。

おわりに

正しさはときに必要なもの。

でもそれだけでは人の心には届かないこともあります。

優しさには人を救う力があります。

今日も誰かの心にそっと寄り添える言葉を選べますように。